最近のあれこれ

八王子平和の家広報紙「かわらばん」PC版

平和の家ニュース~あんなこと、こんなこと~



いろいろ起こるから楽しい??


 八王子平和の家で起こったこと、スタッフが考えてみたこと、ちょっとお知らせしたいこと…。
 思いついたことを、不定期にあれこれご紹介していきます。平和の家の雰囲気が、ちょっとでも伝われば幸いです。
 


























あそびにきてください

平和の家のパンフレットが新しくなりました(2008.12)

 2008年10月ごろ、新しいパンフレットが完成しました。平和の家も開所から18年あまりが経過し、以前のパンフレットは、内容的にも古くなってしまったためリニューアルしました。

 制度や時代に関わらず、平和の家では利用者の「夢」を大切にしたいと思っています。そこで、パンフレット作成にあたり、ポイントを2つにしぼりました。

 1つめは、パンフレットを手に取った人にも「夢」を感じてもらいたいということでした。「絵本のような」をひとつのキーワードとし、『思わず手に取ってしまいたくなるパンフレット』をめざしました。

 2つめは、平和の家らしいことです。表紙にある『ゆるやかな風、やわらかき心』ということばは、以前のパンフレットの表紙にも書かれていたもので、平和の家のめざすイメージをことばにしたものです。そんなゆったりとしたほっとできる場所でありたいと思っています。そのような『平和の家の雰囲気を感じてもらえるパンフレット』にしたいと思いました。

 施設の外観の写真、沿革や利用者の日課、見取図や組織図、年間行事…、パンフレットというからには、内容がわからないとダメなのかもしれません。だから、パンフレットという意味では、ちょっと失格かもしれないけれど、説明の足りないところがまた平和の家らしいのではないかと感じています。ここでは、表紙を紹介していますが、中身はお手にとってごらんいただけるとうれしいです。「夢」のある内容になっているかな。

 最後になりましたが、パンフレットに書かれているこのことばで、終わりにします。

 「あそびにきてください」

21年度のスローガン ~思い、気づき、即行動!~

実行力のある支援をめざして(2009.4.1)

 今年度のスローガンは、「思い、気づき、即行動!」です。

 気づいても、行動がともなわなければ、意味がありません。恥ずかしながら、「つい後回しにしてしまうこと」が結構あるのですが、今年は「行動すること」「実現すること」をテーマにしていきます。

 平和の家のモットーは、「思い、気づき、そしてありがとう。」です。日々、「気づき」を大事にしているわけですが、「スタッフの『気づき』は、『気づいて行動した』をさし、『気づいたけれどそのままにした』のを『気づき』と言うのはやめよう。」ということになったわけです。

 「気づき」をかたちに変え、一つひとつ丁寧に積み重ねていきたいと思っています。

スタッフ学習会 その1

問題を解決するために(2009.4.10)

 4月の全体会議においてスタッフ学習会の時間を設け、問題解決のプロセスについて学びました。そして、実際に平和の家の中にある具体的な「問題」を例にあげ、問題解決の具体的プロセスについて、グループに分かれて検討しました。

 平和の家では、模造紙とポストイットを使って、スタッフが出し合った意見を整理するグループ討議をよく行います。そのやり方に慣れてきているスタッフも多く、真剣ながらも楽しく取り組みました。最後は、グループごとにまとめた意見を発表し、全体で共有しました。

 このグループ討議以降、いつもいろんな人の靴だらけで、とても美しいとはいえない正面玄関が、少~しキレイになってきています…。

スタッフ学習会 その2

職員行動規範を見直そう(2009.5.17)

 全体会議の午後の時間を利用して、利用者の人権について考えました。八王子平和の家には「倫理綱領及び職員行動規範」がありますが、シートを使って「行動規範」を一つひとつチェックして、スタッフが各自、自分の日々の行動を振り返りました。

 「行動規範」を読み返してみると、改めて自分自身を見つめ直し、背筋を正されるような気持ちになります。感情的な対応は、乱暴な支援につながりがちです。「対人支援」という私たちの仕事は、利用者と向き合っているようで、実は、自分自身と向き合い、自分自身を見つめる仕事なのだと感じます。突きつけられる自分の弱さに苦しくなったりすることもありますが、ダメな自分も素敵な自分も受け止め認めていくことで、利用者とも向き合えるようになるのだと思います。

 この日は、自己チェックを踏まえて、ユニットごとに気をつけたい行動・言動・態度などについて意見交換をしました。その際に、「行動規範」に付け足す項目はないか、省いていい項目はないかということについても意見を交わしました。

 「倫理綱領及び職員行動規範」が最終的にまとめられたのは、平成8年です。作成過程に関わったスタッフもずいぶん少なくなっています。「行動規範」が作られた頃とは制度も時代背景も異なる中で、「行動規範」も変わっていっていいと思うし、自分たちで変えていくことで、「行動規範」が『過去に誰かが作ったもの』から、もっと身近な『自分たちのもの』になっていくのではないかという意見もあります。
 「行動規範」はやってはいけない最低限を明らかにしたもので、支援者としてそれだけでは不十分です。けれど、利用者一人ひとりが暮らすこと、生きることを丁寧に捉え、一人ひとりが個性ある人生を築くうえで必要な支援を積み重ねていくためのベースになるものだと思っています。単に項目をチェックして、「できている」「できていない」と判断するためのものではなく、どういう思いでその項目を作ったのか、「行動規範」をチェックすることで原点に立ち戻り、改めて丁寧な支援に繋げていくことが大切なのだと考えます。だからこそ、行動規範が『自分たちのもの』であることが重要なのです。

 生活に張りやゆとりがうまれるためには、安心感が必要です。利用者がまず安心できること、そして、一人ひとりが自分らしく暮らしを築いていくために、私たちは自分自身を見つめながら、悩みながら、利用者の思いを受け止め支えていけるスタッフ集団でなければならないのだと思います。

 スタッフ同士が思いを共有し、共通のベースをもって支援をしていくために、『自分たちのもの』としての「行動規範」を大事にしていきたいと感じました。



※掲載した絵は、利用者の作品です。

08年 クリスマス会

ご協力いただいた皆様に感謝をこめて(2008.12.23)

  毎年の恒例行事であるクリスマス会を、2008年12月23日に行いました。平和の家では、個別支援を大切にするようになった頃から、大きな行事の数を減らしてきました。現在では、入居者(平和の家では、入所の利用者を「入居者」と呼びます。)全員が一緒に楽しむ施設行事というと、8月の夏祭りと、12月のクリスマス会のみなので、施設の二大行事の一つということになります。

 平和の家から車で20分ほどの「あきる野ルピア」が会場でした。平和の家のクリスマス会は、施設の外の会場で、その日ばかりは入居者もスタッフもおしゃれをして、スーツやワンピースなどの盛装で出かけます。張り切って念入りにお化粧をする方や、早朝からスーツを着て出発時間になるのを待っている方もいて、楽しみにしているのが伝わってきます。

 パーティー会場は、丸テーブル15卓あまりとステージからなります。この日は、入居者、ショートステイ利用者、来賓、ご家族、オンブズパーソン、理事、スタッフなど、総勢144名の参加となり、賑やかに開催されました。
 オンブズパーソンのお二人は、いつもみなさんと一緒に楽しんでくださり、また、参加者全員にお菓子の差し入れまでいただいています。ありがとうございます!!

 クリスマス会では、パーティー料理を囲みながら出しものや演奏などを楽しみます。豪華料理!とはいえませんが、入居者の希望も取り入れながら、楽しめるメニューとなるよう、クリスマス会実行委員が限られた予算の中で業者と交渉をし工夫しました。入居者の中には、料理をつまみにビールをたくさん飲んで酔っ払っている方も…。

 そんな中、入居者やショートステイ利用者のうちの希望者が、ピアノ演奏、歌、手品などを披露してくれました。それぞれのやり方で事前に練習を重ねてきたとはいえ、たくさんの人の前で披露するので、緊張が伝わってきて、見ているこちらもドキドキです。どれも素敵な出し物でした。みんなでの歌や演奏もあって、盛りだくさんの内容となりました。

 出し物の中に、平和の家に入所して数年の入居者が、手話を交えながら歌ってくれた「世界にひとつだけの花」がありました。そして、歌い終わってから、ゆっくりと自分の気持ちを整理し確かめながら、自分の言葉で会場のみんなにメッセージをくれました。「『世界にひとつだけの花』を選んだのは、平和の家に入所してから、スタッフが自分に伝えてくれることが、そういうことだと思ったから…」というその言葉は、会場の(特に、スタッフの!!)感動を誘いました。

 家族会の出し物は、歌でした。失礼ながら、素晴らしく上手というわけでもないのですが、とにかく温かくて、味わい深く、場がとっても和みました。ポピュラーな歌が多く、入居者も一緒に歌ったり、体でリズムをとったりしながら楽しめ、また、アンコールにも快く応じてくれました。

 ご家族のご理解とご協力に支えられて、今の平和の家があります。いつも、本当にありがとうございます。そして…、来年もよろしくお願いします!

 ゲストには、以前、平和の家夏祭りでも演奏していただいたことのあるバンド「サンセットクローバー」の皆さんをお迎えしました。入居者の皆さんが、音楽にあわせて踊るのが大好きということをよく解ってくれていて、セッティングの時点で踊ることができるスペースを確保してくれていました。軽快なリズムのクリスマスソングにのって、みんなで歌って踊って、会場が一体となって盛り上がりました。

 今回は、スタッフによる出し物は行いませんでしたが、新しいスタッフが加わったこともあり、ご家族にスタッフの名前と顔を覚えてもらえるように、全スタッフの紹介を行いました。ご家族からは、「スタッフの出し物がなくて残念だった」という声もあり、来年は…。

 ご出席いただいた皆さま、「サンセットクローバー」の皆さま、また、準備の段階からご協力いただいた全ての皆さまのおかげで、今年も楽しいクリスマス会を開催することができ、感謝しております。本当にありがとうございました!

 来年も、ますます充実した、みんなで楽しめる会になるよう頑張ります。

一泊旅行 その1

年に一度のお楽しみ
   ~平和の家の一泊旅行について(2009.7.8)

 21年度も、施設行事として一泊旅行を実施しています。平和の家の一泊旅行は、できるだけそれぞれのペースで楽しむことができるよう、あまり大人数での旅行はせず、入居者3~4名とスタッフ2~3名が一緒に行きます。前年度に、入居者に「行きたい場所」や「一緒に行きたい人(入居者やスタッフ)」のアンケートをとり、相性やペースなどを考慮した上で、次年度の年間予定を立てています。過去には、入居者からのリクエストが「知らないところ」だったため、企画するスタッフが苦労したこともありました…。年度初めの4月や、夏休みでどこも混んでいて暑い8月、寒さの厳しい2月などは避け、1ヶ月に1~2組が旅行に行っています。

 5月には「温泉・のんびり」(入居者4名・スタッフ3名)と「キャンプ」(入居者3名・スタッフ3名)、6月には「三ツ星レストラン」(入居者4名・スタッフ3名)と「東京ドーム巨人戦」(入居者4名・スタッフ3名)、7月には「八景島と中華街」(入居者3名・スタッフ3名)をテーマにした旅行が実施されました。

 措置制度の時代には、2泊で「京都」や「ハウステンボス」など、遠出の旅行もできました。宿泊旅行に加えて、日帰り旅行もしていました。現在は、施設行事としての日帰り旅行はなくなり、予算の都合で、宿泊旅行も関東近辺の一泊旅行のみとなっています。たまに、入居者から「瀬戸大橋を見てみたい」とか「北海道へ行ってみたい」などの具体的な希望があると、それくらいはかなえてあげたいと思うのですが、なかなか難しいのが現状です。

 それでも、一泊旅行は、入居者にとっては大きな楽しみの一つです。一泊旅行の実施は、予算的にも人員的にも実際には厳しいのですが、1年にたった1回の近場の旅行くらいはなんとか続けていきたいと思っています。

横浜旅行に行ってきました。

 ここでは、7月6日~7日の「八景島と中華街」をテーマにした横浜旅行についてご紹介します。入居者3名スタッフ3名で行ってきました。

 1日目は、あいにくの雨だったので、八景島の予定を中華街に変更しました。本格的な中華料理に舌鼓を打ちました。麻婆豆腐やエビチリ、唐揚げ、スープ、角煮、炒飯、杏仁豆腐など、食べきれないほどたくさん出てきましたが、すべて平らげて、お腹一杯に。ビールが大好きな入居者は、ジョッキ片手に上機嫌です。普段は、かき込むように食事をする入居者も、こういう時にはゆっくりと味わって食べることができるんですね。施設は入居者にとって暮らしにくい所なのだと改めて感じずにはいられませんでした。

 雨もやんできたので、中華街の散策がてら、横浜開港150周年で盛り上がっているであろうと山下公園へ行ってみましたが、海上では特に何も行われておらず…。平日ですしね。でも、磯の香りと風が心地よかったです。そのまま、横浜港の観光船に乗り、ゆっくりと海を楽しみました。それから、赤レンガ倉庫に行って…。たくさん遊んでホテルへ。横浜駅前のホテルの22階で、すごく眺めのよいお部屋でした。ホテルは施設と違ってとっても静かで、夜はゆったりと過ごすことができました。

 2日目は、朝食バイキングで好きなものをたくさん食べてから、八景島シーパラダイスへ向かいました。水族館でいろんな海の生き物を見ましたが、見上げるほど大きな水槽にたくさんの魚が泳いでいたり、水槽のドームをくぐるのは迫力満点で、小さな水槽の生き物にはあまり興味を示さない入居者もキョロキョロと見渡したり、微笑んだり。

 海の生物のショーでは、アシカやセイウチ、ペンギン、イルカなどがそれぞれの持ちネタ?を披露してくれました。動きのあるイルカのジャンプなどは、入居者も食い入るように見つめていました。白イルカの水槽では、とっても大きなイルカだったので、ちょっとびっくり気味に見とれる入居者も。

 おのおの、家族や自分へのお土産を購入し、帰路につきました。たくさん食べて、遊んだので、帰りは疲れ果てて少々ぐったりでしたが、とても楽しい旅行になりました。

ちょっと一息

平和の家の仲間たち??(2009.7.9)


 平和の家は、八王子の端っこの山のほうにあります。辺鄙というか、自然豊かというか…。

 5月に、中庭に鴨がきました。鴨はめずらしかったので、思わず写真にとりました。平和の家には、ツバメの巣がいくつもあって、今ぐらいの時期は、「ピヨピヨ」とあちこちから聞こえてきます。

 夜、スタッフが帰ろうとすると「ガルルル…」とケモノの声が聞こえ、光る眼が!なんてことも。イノシシです。イノシシと一緒にウリ坊を見かけるときもあり、なんともかわいい。駐車場に、ニョロニョロッとアオダイショウやヤマカガシ(ヘビ)がいたり、雨の日には、大きなヒキガエルが飛び跳ねていたり。猿もいて、出勤時に普通に道路を渡っていたり、秋になると栗を食べていたりもします。平和の家には、鶏がいますが、その鶏を狙ってイタチもウロウロ。夏には、クワガタやカブトムシが姿を見せることも。少し前に、スタッフが玄関のところでミヤマクワガタをみつけて、飼っています。今日は、施設の中にモンシロチョウが舞い込んでいました。

 先日は、プロパンガスのボンベ置き場に、なんだかわからないものの赤ちゃんが4匹いましたが、結局、ドブネズミの赤ちゃんだと判明。施設長がそっと山の中に置きに行きました…。

こぼればなし

「暮らし」を支えるって?(2009.7.15)

 過去の平和の家の会議などで、暮らしの支援をあれこれ考えたときに話題になったことの一部をご紹介します。どうでもいいことのようで、結構大事かな?

 「冷蔵庫をのぞく楽しみ」について。平和の家では、利用者の暮らしのスペースにある冷蔵庫の多くが、鍵などでスタッフや特定の人にしか開けられなくなっているか、あまり中身が入っていないかのどちらかです。ある日、スタッフの一人が、「冷蔵庫って、何が入っているかのぞくのが楽しいんじゃないか」って言い出したんです。確かに、多くの人は、何度も冷蔵庫を開けてみたり、おやつが冷蔵庫に入っていると親に知らされた時には、すでに確認済みだったり…という経験があるのではないでしょうか。
 そのスタッフの発案で、ある丁目(生活グループ)の冷蔵庫に、不定期に、ちょっとしたゼリーやお菓子を入れてみることになり…。利用者は、それを発見した時、とってもうれしかったと思うのですが、冷蔵庫の前に座って離れなくなり、しまいには仕事に行かずに冷蔵庫の見張り番のようになった方もいて、この企画は中止になりました。

 こんな感じで、会議では、まじめな話はもちろんですが、素朴な疑問なども話題になることがあります。たとえば、入浴時に、全介助の方の洗髪・洗体を支援するとき、どこから洗うか?という疑問。どこから洗いたいかを伝えてくれる人はいいですが、そうでない人は…。「自分の体はどこから洗うのか?」について、スタッフになんとなく聞いて歩いてみたら、比較的若い人は、上から下へ、髪を洗ってだんだん下へおりていくような順番で洗う人が多かったです。で、比較的年配の方は、体を洗ってから髪を洗う人が多かったです。でも腕や背中を洗う順番などを細かく言いはじめると、人によって様々でした。
 お尻などを流し、先に湯船で温まってから本格的に体を洗うのか、洗ってから湯船につかるのかについても、意見が分かれました。色々言い出したら、キリがなくて、お湯の温度だって、好みは様々ですね。

 それから、人はいつから「ランニングシャツ」を身につけるのか?という疑問です。若い男性は、ランニングってあんまり着ないけど、比較的年配のおじさまは、結構ランニングを着ている印象があります。どんなきっかけで着はじめるのでしょう??
 また、Tシャツの下に、下着は着るのか?という疑問もありました。利用者には、下着のシャツを着てからTシャツを着てもらっている場合が多いのですが、暑いのでは?という意見が…。世の若者も、あまりTシャツの下に下着って着ないですよね。でも、下着は着ていたほうが、ベタベタしなくて涼しいというスタッフもいます。結局は、好みの違いでしょうか。
 あとは、パンツのたたみ方とか…。パンツをたたむときに、たたんだあとにゴムの部分に反対側を挟み込むと、1つのかたまりになってくずれません。そうすると、1つ1つがわかりやすいので、利用者がとりやすいのではないかという意見もあれば、幼稚園や保育園みたいで嫌だっていう意見があったり…。

 結局結論がでないことも多いのですが、スタッフでもこれだけ意見が違うのだから、もし、利用者一人ひとりにいろんなことを聞くことができたら、様々な意見や要望があるのでしょう。一人ひとりの暮らしの習慣や心地よいことはそれぞれ違うので、「暮らし」を支援することって、細やかな視点が本当に大事です。
 くだらないように思えるこんなやりとりも、いろいろ考え始めると結構楽しいもので、一人ひとりの顔を思い浮かべながら、どんなふうに暮らしたいと思っているのかを改めて考えてみるきっかけになったりもします。
 これからも、個別の視点を大切にし、すべてをわかることはできないけれど、いろいろなサインや表現を受け止めながら、できるだけ思いに沿った支援をめざしていきたいなぁと思っています。



※掲載した絵は、利用者の作品です。

21年度の取り組みポイント その1

利用者の加齢に対応するために(2009.7.20)

 ここ数年の平和の家では、利用者の加齢に伴い、体力や身体機能の低下など、利用者の暮らしの様々な変化が年々加速しているように感じます。そこで、今年度は、「高齢化対策の今後のあり方に関する検討」を、取り組み重要ポイントの1つと位置付けました。ここでは、その途中経過についてご報告します。

 八王子平和の家は、入所にあたり「自立歩行ができる」ということを条件とさせていただいていますが、その理由は施設の構造にあります。段差や階段が多く、廊下の幅やトイレもとても狭いです。もちろん、お風呂の設備も身体の不自由な方に配慮のあるつくりではありません。また、いろいろな場所から施設の建物の外に出ることができ、施設の敷地の外にも出ようと思えば、簡単に出ることができます。エレベーターや手すりの設置、段差の解消など、できる範囲で改修や工夫をしてきましたが、必要な整備をすすめるには莫大なお金がかかります。

 スタッフの勤務は、夜勤ではなく宿直体制です。スタッフを夜勤体制にすると、日中のスタッフの人数が足りなくなってしまい、活動が思うようにできなくなります。勤務体制や設備が整わなくても、車椅子の方や認知症で深夜に徘徊のみられる方の支援などを行ってきましたが、人数が増えてくると厳しくなるというのが本音です。

 6月4日に、長野県にある『社会福祉法人りんどう信濃会 穂高悠生寮』を見学させていただき、北澤克巳施設長のお話を伺う機会をもたせていただきました。りんどう信濃会の6施設には、300人の入所者がおり、平均年齢は64歳ほどです。他の高齢施設と変わらない、高齢者に対応するための様々な設備の整備や支援の工夫がそこにはありました。

 また、7月17日には、関東地区知的障害福祉関係職員研究大会東京大会の「高齢知的障害者への支援」をテーマとした分科会に参加しました。まず、北沢清司氏の講演があり、高齢知的障害に関連する動向について整理することができました。高齢知的障害者問題の提起は1950年代からされていたということには驚きました。その後、「江南愛の家」(埼玉県)の長岡均施設長によるコーディネートのもと、「さがみ野ホーム」(神奈川県)の佐竹昇平施設長、「穂高悠生寮」(長野県)の北澤克巳施設長、「地域生活支援センターしらね」(横浜市)の笠井真人センター長の発表がありました。どこも、若い知的障害者ではなく、高齢の知的障害者を対象とした支援を展開していました。

 施設見学、また、分科会での様々なお話を通して改めて感じたことは、高齢の知的障害者は、高齢者特有のケアが必要である場合も多いけれど、合わせて知的障害の障害特性に応じたケアが必要な場合も多いということです。具体的に研究はされていないようですが、高齢施設で他の利用者に知的障害者がいじめられてしまうケースもあるようで、高齢者の施設にはなじめない知的障害者もいるようです。なによりも、高齢施設の現状は、入所待機者が数百人の施設もあり、状況にもよりますが知的障害者は敬遠されがちという話もあり、入所するのは絶対的に困難だということです。

 身体障害分野、知的障害分野、高齢分野…など、縦割りであることが一番の問題であるようにも感じますが、高齢者の施設への移行は念頭に置かず、自分たちの力でケアの方法を考えていく必要があります。

 まずは、利用者が高齢になったときに、どこでどのように暮らしたいのか、本人の思いを原点に発想することを忘れてはいけないでしょう。その上で、高齢者へのケアについてもしっかり勉強をし、生活スタイルもずいぶん異なる元気な若い知的障害者とは少し区別をして、環境の整備と高齢者特有のケアも含めた高齢知的障害への支援を、法人内でつくっていく必要があると考えます。八王子平和の家の中で当面の対策を検討するにあたり、新しいことを始めるために、今までやってきたことの中から切り捨てざるを得ないものも出てくるかもしれません。財政的にも厳しい中、利用者の多様な暮らしを支えるにはどのような方法があるか、今後も引き続き検討していきたいと思います。

こぼればなし その2

文章で表現するからみえるもの(2009.7.21)

 八王子平和の家では、事業計画や事業報告などは、箇条書きではなく文章で書くようにしています。読み手の読みやすさはあまり考えていないので、もっと読みやすく箇条書きでまとめてほしいというような要望もありますが、文章で表現することにちょっとしたこだわりを持っています。

 文章で表現すると、「ごまかし」がききません。自分たちの考えを文章化する機会があまりないので、年に一度の良い機会と考えて、自分たちがやってきたこと、今後やっていきたいことを具体的に文章で表現をしています。これは、職種に関係なく、全スタッフが関わり、ほとんどのスタッフが自分の受け持った部分について文章にまとめます。

 このとき、例えば「豊かな暮らし」とか「利用者の不穏な様子」などの抽象的な表現は使わないようにしています。「豊か」とはどういうことか、「不穏」とはどんな状態で、どのような原因や理由によるものなのかなど、全体会議で文章を読み合わせ、疑問点等をスタッフ同士が指摘し合い、利用者の状況ではなく、「支援」という切り口で統一されているかを含め、表現方法や内容を整理していきます。そのような作業を通して、支援者としての視点を確認していきます。

 また、通常は年度末に次年度の計画を立て、新年度に入ってから前年度の報告をまとめますが、平和の家では年度末に報告の素案を整理し、報告をある程度まとめてから次年度の計画を立てます。年度内の取り組みに対して、なぜそのような取り組みをしたのか、どのような考えに基づいた取り組みなのか、取り組んでみてどうだったか、今後はどのような方向性をとっていくのかなどをまとめることで、一つひとつ自分たちの行ってきたことを改めて整理します。その上で、次年度の計画を立てることで、流れのある支援につながります。

 この、報告や計画の作成作業は案外大変で、スタッフは結構苦労もするのですが、大切な作業だと思っているので、これからも続けていきたいと考えています。だから、ダラダラと長くても、大目にみてください。

 

ちょっと一息 その2

夏がきた(2009.7.23)

 そろそろ夏本番です!

 平和の家の敷地は、そんなに広くはありませんが、たまにぐるっと1周まわってみると、季節ごとにいろいろな植物が花をつけていたり、実をつけていたりします。

 あじさいはもう終わりかな…と思いましたが、まだ少し咲いていました。

 ブルーベリーの実は、少し色づいていました。おいしく熟したところから順番に入居者が食べてしまうので、スタッフはなかなか収穫できません。今年は入居者より先に収穫できるかな。

 あけびの実もなっていました。まだ色づいてはいませんが、今度見にいったときには、もう誰かが食べてしまっているかも。毎年、そろそろかな…、という頃には、誰かが食べてしまった後なんです。

 入居者が一人で手入れをしている畑では、なすやとうもろこしがもうちょっとで収穫できそうです。完全無農薬の安心野菜です。できた野菜は、スタッフが購入させてもらっています。先月の長ねぎや、先々月のほうれん草もなかなかおいしかったです。

 先日、入居者のご家族が、暑い中、平和の家の池の手入れをしてくださいました。本当に感謝です。今は、とっても水が澄んでいて、黒い鯉もくっきりと見えます。

 平和の家の池は、元気な入居者さんが、いろんなものを投げ入れてくれているので、いつも何かしら浮いていたり、沈んでいたり…。今日は、何かの紙が沈んでいて、ビニール傘が浮いていました。取り除く前に、大きさの比較のために、金魚と一緒に写真を撮ってみました。金魚は、だいぶ前の夏祭りの「金魚すくい」で、すくわれなかった金魚です。大きく大きく育ちました。

 小さな池なのですが、水の流れる音が心地よいのか、池を眺めながらまったりするのがお気に入りの入居者が何人かいて、お天気のいい日はとっても気持ちよさそうです。でも、日差しの強い日は、ほどほどにお願いしますね。

 これから暑くなると、平和の家のニワトリさんたちが、あんまり卵を産まなくなってしまいます。暑さに負けないで、卵を産んでね、ニワトリさん!!

 

こぼればなし その3

あそびごころ(2009.7.26)

 7月28日に職員の健康診断があります。平和の家に検診車がやってきます。
 平和の家には、ユーモアにあふれたスタッフが何人もいて、健康診断の前には、胃の検査初体験のスタッフに、「バリウムの味決めた?」、「チョコレート味と、マスカット味と、ストロベリー味があって、ストロベリーがおすすめだけど、何も言わないとノーマルのバリウムになっちゃうから、味を指定したほうがいいよ。」などと、伝えたりします。そうすると、複数のスタッフが、検診車に乗るなり「ストロベリー味でお願いします!!」と元気よくバリウムの味をリクエストするので、検査をしてくださる方は困惑気味に。昨年は、「基本的にバリウムは無味無臭で、味覚を刺激すると胃液の分泌を促してしまうので、味や香りはつけられなんです。」というような説明までされてしまう始末でした。本当に、ごめんなさい。
(※補足:7月28日の健診時に聞いてみたら、医療機関によって、味のついたバリウムがあるところもあるそうです。)

 それ以外にも、楽しく新人スタッフをだますことがあります。例えば、「平和の家の夏祭りには、水着を着ることになっているから忘れずに持ってきてね。」と伝えたり、「宿直者は、夜、鶏舎に鶏の羽数を数えに行くことになっているよ。」と言って、懐中電灯を渡してみたり。実際に真っ暗な中、鶏舎まで行く羽目になったスタッフもいますが、さすがに一人で行かせたりはせず、事情を知っているスタッフが一緒に行って、ネタばらしをします。新人さんは、たまにひいていますが、広い心で笑って許してくれます。そして、いつのまにか、こんな雰囲気に慣れていくんですね。

 どうしてもスタッフのみんなに知ってほしい情報があったとき、平和の家では、スタッフルームに貼り紙をして伝えることがあります。でも、複数の貼り紙があると、案外注目されなかったりします。そこで、貼り紙をカラフルにしたり、何か目立つ方法を考えるのですが、そんなとき、天井から貼り紙を吊るし、さらに1,000円札を貼り付けるという作戦に出たスタッフが。部屋に入ると、天井から1,000円札がペラペラ~。「お金ならみんな見る!」という理由だそうです。みんな、貼り紙の内容よりお札に注目したような気もしますが、確かに目立ちました。

 それから、コインを入れるための横長の四角い穴があいているだけの透明な入れ物が、募金箱としてスタッフルームに置いてあったときのこと。「穴の位置がわかりにくい」と、穴をマジックで四角く囲ったスタッフがいました。すると、別のスタッフが、同じマジックで、同じ形の四角を募金箱の側面に書きまくり…。ついやりたくなっちゃったようですが、一見、どこに本当の穴があいているのかわからなくなりました。でも、みんな「なにこれ~?」などと言いながら、ちゃんと穴を探して募金していましたよ。

 一泊旅行の際に、入居者の旅支度に忙しくて(?)、施設に自分の荷物を忘れていくスタッフがいたり…。「パンツを裏返して履くから大丈夫!」と笑い飛ばしていました。本当ですか??

 いたずらはほどほどに…。でも、日常の入居者支援の中にも、何でも楽しんでしまう精神があります。平和の家では、小さな楽しみを大切にしていくことを「わたしたちのめざすもの」の中で表現していますが、入居者と一緒に楽しむ姿勢がスタッフにあると、いろいろなアイデアがうまれます。
 楽しみながら、まじめに仕事に取り組んでいきたいです。

 ちなみに、当サイトのトップページの「気球」にも、ほんのちょっぴりあそびごころが…。もしも暇なときがあったら、探してみてください。



※掲載した写真は、利用者の作品です。紙ねんどで作った動物を、草原を描いた紙の上に置いています。

「障害」とは?

知的障害者は「天使」?(2009.7.28)

 「知的障害のある方は、素直で、天使のようですね。」と、言われることがあります。「知的障害」のある方によい印象を持ってもらえることはとてもありがたいことで、そこから人と人とのつながりが生まれ、理解が広がっていくのだと思います。

 けれど、「天使」と言われると、違和感があります。人は誰でも、苦しい気持ちを胸の中に抱き、たくさん悩み、精一杯生きていて、それは障害のあるなしには関係ありません。ましてや、「知的障害」のある人の多くが、やさしくない社会の中で必死に生きているのだと思います。

 よく、「障害」=「個性」と言いますが、私たちは「障害」=「生きにくさ」だと理解しています。「知的障害」のある人の中には、一般的ではない、わかりにくい行動がみられる人もいます。でも、一つひとつの行動には、その人なりの意味があります。「変なことをしている」のではなく、「意味のある行動をしている」とわかってもらえるだけで、彼らは少し生きやすくなります。

 「知的障害」のある人の中には、言葉を使ってのコミュニケーションが苦手な人もいます。けれど、「言葉の文化」の中で、言葉で伝え合わないと通じ合えない私たちよりも、言葉に頼らずに相手の気持ちを理解する力に優れています。言葉に頼っている私たちは、とても敵いません。そして、たとえ本人が言葉を話さなくても、一人ひとりの内面には必ず深い感情があって、様々な状況や聞こえてくる言葉を本人なりに受け止め、傷ついたり、悩んだり、喜んだりしています。「障害」とは関係なく、誰もが同様なのです。しかし、「障害」という「生きにくさ」のせいで、そのことが周りに伝わりにくいといえます。

 「生きにくさ」は、社会や周囲の人々の理解や協力により、軽減され、生きやすくなります。そのために、「障害」のある人に近い存在である私たちスタッフが、「障害」を正しく理解してもらうことができるよう、いろんな人に「障害」について知ってもらう努力をしていくことは、とても大切なことだと思っています。

 当サイトの「基本方針」でも表現していることですが、身体の不自由な人のために設置されたエレベーターやエスカレーターが、他のみんなにとってもやさしい設備となったように、知的障害の人のために作られたシンボルなど『視覚的にわかりやすい情報』や、様々な「生きにくさ」につながっている『行動や障害特性への理解や協力』のある社会は、まだあまり字の読めない子供や外国人にとっても、その他何らかの「生きにくさ」のある人にとっても、やさしい社会となるはずです。みんなが生きやすい、お互いに認め合い、つながり合えるやさしい社会に近づいていきたいものです。

ショートステイ担当より

思い(2009.7.30 ←2009.6末に執筆)

 新米ショートステイ担当の平山です。昨年度までは5丁目や農養鶏班を担当していました。広報担当から原稿を依頼されると、遅筆な私は「さて、何を書こうか」とあれこれ悩むばかりでキーボードを打つ手が止まりっぱなし…。そこで近頃感じた私的な思いを書かせていただきます。退屈な文章ですがお付き合いくださいませ。

 ショートステイ担当になって間もなく、新規利用の若い男性を担当しました。事情によってやむ無くご家族と離れて暮らす必要があり、行く行くは施設入所される予定、という方でした。次の行き先が決まらないあいだ、ひとまず「入所施設での生活に慣れる」という大まかな方向性で支援を続けました。2ヶ月が経ちご本人も当施設での生活に慣れ、その後、施設入所が決まった時「ご本人の居場所が決まった。ご家族の希望にそえた」と安堵しました。と同時に「彼はこの先何十年も施設での暮らしを続けていくのか…」と思うと、正直、暗澹たる気持ちになりました。「施設入所でお終いではない。地域で生活する可能性の芽を摘んではならない。」と改めて肝に銘じた瞬間でもありました。
 彼は、日中活動では素敵なビーズアクセサリーを作り、余暇の時間は大好きな音楽を聴くなど、笑顔で楽しそうに過ごす方です。しかし、本心はどうなのでしょう?ご家族のことに触れると、いつも「あっちに行って」とジェスチャーで伝えてきます。触れられると頑張ろうとする気持ちが揺らいでしまうのでしょうか。
 ご家族への思いを心の中にそっとしまって、施設で頑張ろうとしている方に、「いつか、またご家族と一緒に暮せると良いですね。」とはお話しすることは出来ませんが、せめて常にその思いを持ってご本人を支え続けたい、そう強く思っています。

 さて最近見た新聞記事で「精神」という映画の紹介に目が止まりました(朝日新聞平成21年6月21日夕刊)。その中にあった「"不思議の国"こそ僕らの現実の住処なのかもしれない」という言葉。留まることなくもの凄い速度で変化を続ける現実世界は、今、不況や鬱といった言葉が連日報道され、生きにくさを感じている人が大勢いるようです。ましてや、生来、生きにくさを抱えた人達の側からすれば、まさしく不思議の国に違いないでしょう。そんな不思議の国での生活に疲れたとき、当方のショートステイを利用されることが、ご本人やご家族にとって「ふーっと一息ついて、ほっとする」機会であれば幸いです。

 最後に、ショートステイをご利用される方々のお部屋ですが、今までお世辞にも「きれい」とは言えないお部屋でした。が、家具を買い替え、床や壁を張り替えetc.…清潔感のある居心地の良い空間をご提供できるようになりました。
 皆様、お待ちしております。(平山雅嗣)

Let's ショートステイ!!

※掲載した絵は、利用者の作品です。

関係性を築くために

行動してみよう(2009.8.1)

 研修などで出会った新任のスタッフの方から、何らかの理由で落ち着けない利用者への対応として、「こういうことをしてみたらどうかと思うけれど、相手が望んでいることかわからないから、やれないでいます。」という話を聞くことがあります。
 相手の思いに沿うことはとても大切ですし、「スタッフだから」と、まだお互いによく知り合っていないうちから、ずかずかと相手の暮らしに入り込んでいくことは、あまりいいこととは言えないでしょう。

 でも、平和の家の渡辺施設長は、まだあまり知り合っていないという距離感のなかで、利用者とどう接していいか困っているスタッフに言うことがあります。
 「たとえば、自分が入院していると想像してみて。自分のことをよく知っている母親が、自分の嫌いなケーキを持って病室に来たら、腹が立つでしょ。でも、まだ友達になって間もない人が、自分のことを心配して、ケーキを持って来てくれたら、『嫌いなケーキを持ってきた』ということに腹が立つかな?それよりも、『心配して来てくれた』ということを嬉しく思うんじゃない?」

 きっと、本当に相手のことを思って働きかければ、たとえそのこと自体は望んでいることとは違ったとしても、「辛そうだから何とかしてあげたい」、「あなたにゆっくりくつろいでもらいたい」、「あなたに安心してほしい」など、スタッフの思いは伝わるはずです。
 けれど、さっきの例で言えば、毎回ケーキを持ってこられたら、ストレートにケーキをあまり好きじゃないことを伝えるかもしれないし、遠まわしに「何も持ってこないでいい」とか「後で食べる」と言ってその場では食べないとか、何らかの行動をとるかもしれません。利用者も同じで、望まないことなら、何らかの方法でそれを伝えてくれるはずです。そういうサインを見逃さないでいれば、関係は深まっていくのではないでしょうか。

 行動してみて、それをひとつのきっかけとして相手とじっくり向き合い、だんだんと「いい関係」を築いていけるといいですね。

これからも平和の家らしく(2009.8.6)

「丁目係会議」を開きました

 一昨日、「丁目係会議」がありました。「丁目係」というのは、生活のグループをとりまとめる、丁目のリーダー的な存在です。

 平和の家では、生活のグループを「丁目」と呼び、1丁目~7丁目(4丁目はありません)の6グループで構成しています。そして、2つの丁目を1つのユニットとし、構造上、建物が3つに分かれているわけではないのですが、スタッフ体制上、3つのユニットに分けています。ユニットは、担当主任、2つの丁目の各丁目係、各丁目のスタッフで構成されています。

 「丁目係会議」は、新しい試みとして、今回はじめて開きました。
 平均年齢は、おおよそ28歳くらいといったところでしょうか。最年少は25歳くらいかな。比較的若手ながらも、平和の家の生活支援を展開していく中心的存在となっている6人です。今回は、初めてということもあり、子育て奮闘中で1年ほどお休みしている生活支援担当係長に代わって、支援課長の西原も出席させてもらいました。

 ざっくばらんに困っていることを出し合ったり、情報交換の場になればと思って開いたのですが、平和の家の課題に対する具体的な改善策など、もう一歩踏み込んだ前向きな検討がなされました。
 その中で、「支援のあり方について、スタッフのやりやすさではなく、利用者の暮らしやすさから発想すること」や、「単に業務としてやるべきことをこなすだけではなく、利用者との関わりを大事にすること」、「利用者のうわべの言葉や表面的な要求にまどわされないで、その奥にある心を敏感に感じとることが重要だということ」などが、当たり前のように話題にのぼっていました。
 さらに、そのことを新任のスタッフにどうしたら伝えていくことができるのかということを真剣に考える姿勢がありました。

 日々動いていく日常支援の中で大切なものを見失わないよう、この6人をはじめとするスタッフが支えてくれているのだと感じました。

大切なものを受け継ぎながら、自分たちらしく…

 開所から19年、制度も大きく変わり、たくさんのスタッフが入れ替わりました。平和の家では、この間に、利用者の加齢や携わるスタッフの個性、福祉を取り巻く動向などにより、変化してきたことがたくさんあります。
 けれど、阿部美樹雄初代施設長や開所当時のスタッフがまいた種が、芽を出し、花を咲かせ、その花が種を落とし、また花を咲かせ…というふうに、平和の家で大切にしているものは受け継がれていっているのだと感じました。それが、私の先輩スタッフがよく言っていた、「平和の家の風土」というものなのかもしれません。

 ここに集まった6人は、キャラクターは様々ですが、それぞれに思いがあり、細やかな感性があり、話を聞いていて、こちらが勉強になることもたくさんあります。とても頼もしいスタッフたちだと改めて感じ、とてもうれしくなりました。
 平和の家には、他にも素敵なスタッフが何人もいます。支援の質の向上のために、みんなが日々の仕事を通して感じる小さな疑問やスタッフ体制のあり方に対する提案など、率直に感じていることを、もっとたくさん吸い上げたいと思いました。そして、いろいろなアイデアを出してもらい、元気に仕事をしてもらうために、芽吹いた新芽が花を咲かす前に枯れてしまわないよう、働きやすい環境を整えることが大事だと強く思いました。

 私たちの仕事は、すぐに答えがみつからないことばかりです。1年経って、3年経って、5年経って…、年単位で時間が経過し、やっと成果みえてきて手ごたえを感じることもあれば、何年経っても、うまくいかないこともあるかもしれません。だけど、じっくりと積み重ねた努力は、必ずどこかで実を結ぶと信じています。

 一緒に、楽しみながら、悩みながら、そして、受け継がれたことを大事にしながら、スタッフみんなでこれからの新しい平和の家をつくっていきたいです。

(西原)



※掲載した絵は、利用者の作品です。

ちょっと一息 その3

たのしいアート(2009.8.9)

 これは、相本満(あいもとみちる)先生の作品の一つです。八王子平和の家の事務所前に飾らせていただいています。こころがほっとなごんでしまう、なんとも楽しい作品です。

 相本先生は、平和の家の「絵画クラブ」で、みんなの個性を引き出して、味わいのあるたくさんの作品をうみだしてくれています。どーんと頼りがいがあって、おおらかで、いつもいろんなひらめきがあって、素敵な素敵な先生です。

 月に1度、遠路はるばる平和の家に足を運んでくれるのですが、「読書するのにちょうどいい」なんて言ってくれます。先生いつもありがとうございます。

出会えたことに感謝!

なつやすみだ! その1

スイカ割りと花火(2009.8.13)

まずは、スイカ割り!!

 お盆のこの時期、八王子平和の家も1週間ほどの夏休みです。

 久しぶりに自宅で過ごす利用者もいますが、数日だけ帰って、あとは平和の家で過ごす方や、それぞれの事情で帰ることができない利用者もおり、夏休みを平和の家で過ごす方は、年々増えてきています。夏休みはお仕事(日中活動)もお休みなので、のんびりと過ごしています。


 そんな、夏休みの、とある日のおはなし・・・。

 今年の夏は例年と比べて涼しい日が続きました。でも今日は朝からカラッと晴れて、とっても暑い!

 これぞ夏ですね!ということで、スイカ割りをしました。

 中庭にビニールシートをひいて、いざ順番にスイカに挑戦!

 用意したスイカはちょっと小さめサイズでしたが、みなさんとっても上手に当てていました。でも、当たっても当たらなくてもワクワクする感じがいいですよね。


 スイカが上手に割れた後には(ちょっと割れすぎちゃいましたが・・・)、涼しいサロンでBGMを聴きながら、みんなで美味しく頂きました。



夜には、花火☆

 そして、夕食後には花火をしました。花火も夏の風物詩♪

 花火の勢いに少々びっくりされる方、積極的にやってみる方、みなさんとってもいい表情で眺めていました。

 花火に火をつけながら、スタッフも一緒に楽しませていただきました。終わりには、打ち上げ花火と線香花火も堪能して、楽しい夏の夜はふけていきました。

  

 

 スイカ割りや花火で夏休みのひとときを楽しく過ごしていただけたのではないかな、と感じています。

(川田)

季節感

夏バージョン(2009.8.14)

  八王子平和の家では、各丁目のリビングなどに季節感を出すために、生活支援担当スタッフが、季節ごとにさりげない装飾をしています。


 毎日過ごす場所が殺風景では、つまらないですよね。


 この時季だけ、ラグをい草マットに換えている丁目もあって涼やかです。スタッフも楽しみながら、わりとこまめに装飾を変えたり工夫をしているので、ちょこちょこと変化が楽しめます。

      

 時々、いたずらで、装飾品を持って行ってしまったり、捨ててしまったり…という方がいるのですが、みなさん変化を楽しんでくれているので、そんなことにはめげません。


 持って行ってしまう方に限って、いち早く変化に気づくので、きっと楽しみにしてくれているのでしょう。


 2丁目の掲示板には、かわいらしい折り紙の装飾が…。スタッフの手作りなのですが、夏らしくて、楽しいですね。


 この繊細な技とセンスをもっているのは、男性スタッフなんです。本当に器用です!


野球観戦

ナイターのチケットを頂きました!(2009.8.14)

 先日、東京善意銀行様より、日本ハムVSオリックス戦のチケットを頂きました。株式会社電通関西支社様よりご寄付いただいたものだそうです。本当にありがとうございました。


 昨日、さっそく野球が好きな利用者の方々と東京ドームに野球観戦に行ってきました。


 平和の家は夏休み期間であるため、長めに帰省をしている人もいます。そのような中、様々な事情で、帰省期間が短かったり、帰ることができず、平和の家で夏休みを過ごしている利用者にとっては、素敵なプレゼントとなり、いい気分転換にもなりました。


 東京ドームに向かう車内では野球の話しをされたりしていて、東京ドームに着くとうれしかったのか、みなさんとても笑顔が目立ちました。


 試合を観る前に食事に行きましたが、『6時に試合開始だよね』と試合を待ちきれない様子。


 試合になると、『あの選手は前、○○のチームにいたよね』など話したり、席の近くにチームのマスコットが来ると、とても嬉しそうにされていたり、ビールを片手に観戦したりと、各々の楽しみ方で野球観戦を楽しんでいました。


 ナイター観戦はなかなか体験出来ないことなので、とても有意義な時間となりました。

(千葉)


なつやすみだ! その2

バーベキューとアイスパーティー(2009.8.15)

 夏休みもいよいよ終盤にさしかかった昨日、平和の家で過ごしている利用者とスタッフでバーベキューをしました。


 炭に火を熾し、網の上で蒸したジャガイモやトウモロコシを焼いて食べました。みんなで、おいしくいただきました。


 バーベキューの準備を一生懸命手伝ってくださる方、それを楽しそうに見守っている方、食べるのに夢中な方など、みなさんの参加の仕方は様々でした。


 中には、トウモロコシの芯まで食べようと頑張っている方もいました…。


 夜は、アイスパーティーをしました。みなさんに「アイスを食べましょう」と声をかけると、笑顔でアイスを食べに集まってくれました。かき氷の上にアイスクリーム♪


 休みの日となると、外にドライブやお茶をしに行くことが多い平和の家ですが、ちょっとした工夫で、平和の家の中で楽しく、穏やかに過ごすことができた一日でした。


 夏休みももう終わり。来週の月曜日からは、いつもの日々に戻ります・・・。

(谷内)


自閉症とこだわり

自分なりの生きるすべ(2009.8.19)

 自閉症の人には、「こだわり」といわれる行動がみられます。  


 こだわりの対象は、人・場所・言葉・物の位置・時間・誕生日・衣類…その他様々で、そのこだわり方も人によって多様です。


 何かにこだわったり執着するのは、「楽しくて」、「やりたくて」やっているわけではない場合が多いといえます。 「こだわり」は、『不安を和らげ、自分自身を安定させるための手段・方法』なのです。


 自閉症の人の多くが、想像力を発揮して先を見通したり、状況にあわせて臨機応変に対応することが苦手です。 生きていく中に、わかりにくいことや不安なことがたくさんあり、バランスを保つために本人なりにあみだした気を紛らわせ安定させる方法が、「こだわり」なのでしょう。


 不安が強いときや落ち着けないときには、こだわりがエスカレートしたり、強迫的になったりもします。それは、時として「まわりを困らせる行動」になりますが、本人も困っているのです。「本人はやりたいのではない」、「本人が困っているのであって、まわりを困らせたいと思っているわけではない」ということを理解することが大事です。


 こんなことを言っていた人がいます。「人は、人とつながっていないと、たった一人では生きていけない。自閉症の人は、人とつながりにくいから、物とつながろうとするのかもね…。」


 他人と関係を築くのが苦手だということも大きく影響し、結果として、何かにこだわることで、自分の中で安定を得ようとしているのならば、「一人で頑張らなくても他の人に助けてもらう方法もある」ということを少しずつ伝えながら、「人と人との温かいつながり」を大切に支えていきたいと思います。

全体会議

意見を言って、開運しましょう(2009.8.24)

 先週金曜日は、全体会議日でした。


 八王子平和の家では、月に1度全体会議を行っています。この日は、利用者にご協力をいただき、日中の作業などの活動はお休みとさせていただいています。正職員、契約、パート等に関わらず直接支援のスタッフ全員が参加する貴重な機会です。遅番や宿直者は早出をしたり、宿直明けのスタッフも残業し、持ち回りで数人のスタッフが利用者支援にあたりますが、できるだけたくさんのスタッフが集まり、午前・午後をとおして話し合いをしています。


 平和の家では、平成3年の開所以来、会議に参加するすべてのスタッフが、経験や年齢に関わらず「意見を述べることが称賛される会議でありたい」という意識を持ち、入居者に関わる様々なことについて細かすぎるくらい議論を重ねてきたのだそうです。しかし、その細やかさが最近なくなってきています。


 本来、新任スタッフの意見は、施設慣れしていないフレッシュな視点があり、とても貴重です。けれど、なかなか意見が出にくい状況は以前からありました。それでも、2~3年経験すれば、様々な意見を述べるスタッフも増えました。ところが、特にここ数年は、経験年数の長いスタッフの意見の応酬となってしまっています。主任会議において、全体会議のあり方に関する問題点が指摘され、もう一度スタッフ一人ひとりの意見を大切にできるよう工夫をすることになりました。


 会議の司会進行者の選出、議題の出し方、出席できないスタッフの意見の集約方法等について、具体的に整理しました。また、意見を述べることに慣れてもらうねらいもあり、数多くの意見を得られるように「進行者は、参加しているスタッフに対して、指名して発言を求めてもよい」というルールをつくりました。


 そして、会議当日。ある主任スタッフが「開運おみくじ」なるものを用意してきました。会議に出席するすべてのスタッフの名前が入っており、すべて大吉。名前が出た人が、発言をして開運する(?)というしくみです。この日は、「おみくじ」がなくても案外たくさんの意見が出ましたが、「開運おみくじ」の出番もあり、笑いが起こって場がとてもなごみました。


 あまり積極的に意見を述べないスタッフも、「開運おみくじ」で当たって指名されると、しっかりと意見を述べていました。スタッフそれぞれが、発言はしなくても自分の中に意見を持ちながら参加しているのであれば、その意見を表明しやすくなることが大事です。平和の家のひとつの特徴である、細かすぎるほど細かく話し合いを重ねるために、活発な意見交換ができる全体会議をめざしていきたいと思います。

09年 夏祭り報告

slow fes.'09 無事に終了しました(2009.9.14)

 まず、地域の皆様をはじめ、出演者の皆様、舞台や模擬店のほか音響設備などの準備にご協力いただきました皆様、ボランティアの皆様のご厚情に、深甚の感謝を捧げる次第です。多くの方々のご協力により、今年度の平和の家夏祭り~slow fes '09~を無事に終えることができましたこと、心よりお礼申し上げます。

 入居者の皆さん、ありがとうございました。装飾の看板を描いてくれた方や、テントやブルーシートの設営に協力してくれた方をはじめ、何より、当日、思いきり楽しんでくれた皆さん全員に心から感謝しています。


 残念ながら2年続けて雨…。グループホームの入居者さんがてるてる坊主を作ってくれたおかげ(?)で前日までは晴天だったのですが…ホント、天気は気まぐれです。それでも、開催中、会場内は熱気で包まれていました。美味しそうに焼きそばを頬張る顔や冷たいビールを飲みほした顔、夢中でゲームや金魚すくいを楽しんでいる顔やステージでのパフォーマンスを楽しむ顔、あちこちに笑顔が溢れていました。


 今年は初めて取り入れた内容が沢山あったので、正直、お客様の反応に興味津々でした。

 法政大学ボランティアサークルの皆さんがフリーマーケットを開いてくださったほか、演歌やポップスをアカペラで歌われるエンカペラGの皆さんをお招きしたり、三河屋さん(八王子市川口にあるお豆腐屋さん)のおからドーナツを販売させて頂いたり…。

 どれも好評で、企画側としてはホッと胸を撫で下ろしました。エコバッグ作りや卵料理の体験コーナーも、スタッフやボランティアさんが頑張って下さったおかげで好評だったとか。そういえば、あんず飴、忙しくて食べられなかった…残念。


 さて、ステージの様子はどうでしょう?
 秋川風神太鼓さんは皆さんお馴染みなので、演奏中のリアクション(?)も慣れたもの。迫力満点の演奏で、1曲ごとに拍手が起きました。

 エンカペラGさんのステージでは、入居者の皆さん、とても静かで傍から見ると演奏会に参加しているかのよう…。でも、好きな歌が流れると、とても嬉しくて立ち上がって飛び跳ねている方もいました。お客さんの顔ぶれをよーく見てみると…久しぶりにご家族と参加された方が多く見受けられ、例年とはちょっと違った顔ぶれ。最初は、皆さん、ちょっと緊張気味だったのですが、プロの素敵な歌声を聴くうちに心が和んできたのか、半分を過ぎたころにはすっかりリラックス。終演後、入居者さんは我先とばかりにメンバーのもとへ行き握手を交わしていました。


 また、リサイクル容器(㈱ヨコタ東北さんのP&Pリ・リパック)の回収についても来場された方々のご協力のほか、ボランティアの皆さんがこまやかな対応をして下さったおかげで、大きなビニール袋(ちなみに容量は45?です)8個分を集めることができました。回収率を計算するのが楽しみです。詳しい数字について、後日、ホームページでお伝えできたらと考えています。


 さて「そもそも、何で『slow』なのか?」という疑問が残っているので、この場を借りてお答えします。

 サブタイトルを決めるにあたり、平和の家が持つ「のんびり」とした雰囲気や、日中活動で入居者さんが作られた作品から感じられる「ほっこり」とした印象を前面に出すことになりました。内容について既にエコロジーやスローフードといった要素を取り入れていたので、言いえて妙な言葉として「slow」しか思い浮かばなかった、というのが真相なのです(お恥ずかしい限りで…)。カタカナ語が持つ効能である「目くらまし効果」や「格上げ効果」といったところでしょうか。けど、言い訳がましいですが、フリマや体験コーナー、リサイクル容器etc…ひとつひとつには、ふかーい考えがあるんですよ。ホントに。


 最後になりましたが、来年も皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。来年こそは選挙や雨が夏祭り当日と重ならないことを祈りつつ…。


夏祭り実行委員長 平山